よしもりむつこ


よしもりむつこ
Artist Statement
郵便局もコンビニもガソリンスタンドも無い地域「塚原」、この山間部に20年も暮らしていると「素材をお店で買い揃える」という発想から「身の回りにあるものに手をかけて欲しいものを作る」という発想に変わって来ました。頭の中の言葉やイメージから、どうしても作りたくなる明確な形が浮かんで来ます。土や竹やひも、紙、布などの素材がだんだん立ち上がって来るに連れ、今までの積み重ねられた時間が込められていきます。私を突き動かした言葉、忘れられない人々の大切にしていた事、そんなひとつひとつが思い出されます。形が出来上がり、誰かに見たり触れたりしてもらえる事は、まるで私が出会って来た人々の事を語り継いでいる様なものです。そこに喜びと少し安心感が生まれるのです。
私は毎日の身の回りにあること、わが身に起こっている出来事を表現したいと思っています。
Biography
1963年大分県臼杵市生まれ。大分県立芸術文化短期大学美術科卒業。絵画、写真、映像、立体、陶芸など、出会った表現方法、素材や道具など興味のままに試して来ました。20年前に陶芸の窯を据え置く為に、湯布院町の山間、塚原の地に夫と自作の工房を建てた事から、力のかかる柱や梁の組み方を考え、模索しながら、地面から立ち上がってゆくものの面白さに惹かれていきました。建築物は、そこに住まう人の時間や暮らしが積み重なって、一層の愛着が生まれると言う事を実感しています。「作ること」は限りなく私の存在意義と同一化している日々です。