渡部 芳奈子 Kanako Watanabe
141.3
本作品のタイトル『141.3』は、オレンジ1つを育てるために必要な水の量(リットル)です。 それは、積み上げたジョウロに入る水の合計でもあります。 日本のスーパーには世界各地から輸入した果物、野菜、肉や魚が並びます。 もしその輸入食料を自国で生産するとしたら必要になる水の量を、「ヴァーチャルウォーター(仮想水)」と言います。つまり、間接的に輸入している水の量ということです。 水資源が豊かなイメージのある日本ですが、果物1つをとってみても外国の水を大量に消費しています。 この地球上にはいま、 スーパーに行けばオレンジを何個も買える人々と、何時間もかけて水を汲みにいっても不衛生な水しか手に入らない人々が共存しているのです。
Material: ジョウロ、オレンジ、鉄花器、砂
Size: 1,350mm x 1,400mm x 900mm mm
渡部 芳奈子 Kanako Watanabe
1991年東京都生まれ いけばな草月流師範
自身のいけた花の写真を生成AIで拡張する”AIいけばな”や、草花を着る音に注目した”いけばなASMR”など、従来のいけばなの枠に捉われない表現活動も行う。
その傍ら、日々のいけばなで培った造形力と色彩感覚を活かし、植物ではない異素材を用いた立体表現を追及している。
普段は自然言語処理を専門とするAI研究者。
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